2015年4月29日水曜日

学校27日目


今日も一日、座学。

ですが、先週の様に難しいものではなく、真空調理、PACO JET、電子レンジを使った
調理法について学び、実際にデモンストレーション見て、テイスティングをしました。

先ずは真空調理。


お肉は真空してからオーブンのスチームで火を入れた後、急速冷凍します。

お肉が柔らかいと同時に、色が綺麗なロゼ色に仕上がります。

真空調理はお肉、お魚だけではありません。

野菜、果物もOK!

野菜は食感を残し、これまた色も綺麗に仕上げたり、保存する事ができます。


果物は、ピンクペッパーやシナモン、唐辛子、ハーブ等を一緒に真空。

もちろん歯ごたえを残し、一緒に入れたハーブがほんのり風味と香りをつけてくれます。






真空といえば、前のお店で働いていた時に一度、ソースを真空している時に中身を爆発させ、
泣く泣く掃除をした事を思い出しました。

レストランで働いている多くの人が一度は経験しているでしょう。

PACO JETという機械は知ってはいましたが、実は使った事がありません。

今日が初めてです。この機械は、ムース、スープ、ジェラート等、色々と幅広く使えるそうです。


スモークサーモンと黒オリーブのムース。



リンゴと人参のソルベ。

リンゴは緑の皮ごと入れたので綺麗な緑色に仕上がっています。

人参のソルベはとても甘くて、予想外の美味しさ!!


最後は電子レンジを使った調理。

このイカとポテトのサラダは電子レンジだけ、そして13分位で簡単に出来ました。

美味しかったです。

が、私自身は電子レンジは使わないし、実はあまり好きではありません。

けれども、色々と知る事は大切だし、楽しい事。


調理法も文明や科学の発達と共に更に進化を遂げています。


学校26日目。見学編 


いよいよ学校も6週目になりました。

今週は月曜日から早速、一日工場見学。

まず、午前中はイタリアでシェアNO,1のリゾットライスの会社”Gallo"へ。

会社の歴史、リゾットライスについて、そして会社の製品の説明を聞いてから工場見学。

この日は撮影禁止。

お米の精米、パッキングをしている所を見せてもらいました。

そして見学した後、会社の方にご招待頂き、近所のレストランで昼食。

コースの中に、Galloの製品を使ったリゾットが入っていました。

しかも、お昼からワインもしっかりと頂き、バスの中で気持ちよく寝て、次の工場へ。

午後は、フライパンや鍋、カトラリー、食器等を製造している会社”PADERNO"

今日、見学した工場は両社共にとても大きな会社でした。










工場見学して、ショールームを見て皆、色々見て、あれもこれも欲しいと気持ちが高まったら、
隣のアウトレットはお休みだったというオチが最後にありました。

それぞれの国に得意な物、特徴があり、物作りもさまざまですね。


2015年4月27日月曜日

学校25日目


この週は座学、見学が多かったから、久しぶりの料理のデモンストレーションと実習です。

午前中はハーブを使った料理のデモンストレーション。


PORCHETTA DI CONIGLIO,RIPIENA DI PRUGNE E LARDO,
ACCOMPAGNA LA SPUMA DI PATATE,TEMPURA DI FIORI ZUCCA

うさぎの背肉の中にプルーンを詰めてロールにして、オーブンで火を入れたお肉。

それに、うさぎの骨と香味野菜のブロードを詰めて作ったソースとポロネギと共に
クリーミーに仕上げたポテト、カボチャの花のフライを添えて。

お肉が柔らかく、中のプルーンのほんのりの甘みとソースが合う。


ZEPPOLE DI BACCALA

イタリア料理に良く出てくる魚の一つ、干し鱈のバッカラとイタリアンパセリを入れたフライ。

カリッ、もちっとした食感にバッカラの塩気が効いて美味しい。



CROSTINI CON ALICI MARINATE ALL'ARANCIA

鰯を手開きにして、レモン、オレンジの汁等でマリネしました。

オレンジの皮をコンフィにして、一緒にクロスティーニに添えました。

オレンジの皮のコンフィの甘みが、酸味のある鰯のマリネの味を引き立てます。



RISO CARNARONI GRAN RISERVA ZUCCA GIALLA RAGU' DI ANATRA

上の写真の焼いた後に休ませた鴨肉、ロゼ色に仕上がり、しっとりと柔らかく仕上がってます。

甘みのあるカボチャのリゾットに、スパイスを効かせてラグーにした鴨、そして焼いた鴨。

甘みとスパイシーさ、二つの異なる味と、同じ食材でも違う調理法。

一皿の中で色々と楽しめます。



午後はポレンタを使ったメニューの実習。

TORTINO DI PORRI CON CLEMA AL GORGONZOLA

ポロネギとリコッタチーズで作った優しいプリンの様な食感に仕上げた暖かいトルティーノに
ゴルゴンゾーラのソースをかけて。

これもポロネギの甘さを感じるトルティーノに塩気のあるゴルゴンゾーラが良く合います。

甘さと塩気、スパイシーさは上手に使うとお互いの良い個性を更に引き立ててくれます。



PORENTA CONCIA

これは見たまま。ポレンタの中にチーズを入れ、オーブンで焼いたもの。

素朴すぎて、あまり美味しくなかった。

お米の国に生まれ、お米が大好きな私。

これが毎日だったら、キツイなぁ〜!


SFORMATO DI PORENTA CON FONDUTA

ポレンタにチーズ、卵を入れて焼き上げた物にこれまたチーズのソースをかけて。

これはトーマ、ラスケーラという美味しいチーズを使いました。

ピエモンテのチーズです。


結構、こちらではこのように型に入れて焼く料理、ポレンタ、卵、チーズ等のお料理の
バリエーションが色々とあります。

温かくて、ふわっとして、卵やチーズの味が美味しいです。


この週も一週間が風の様に一瞬にして過ぎていきました。

さて、次週はどんな一週間になるのかな?


学校24日目。見学編


木曜日は一日、見学の日。

朝7時に寮を出て、午前中はエミリア・ロマーニャ州にあるチーズ、グラナ・パダーノの工場に。

午後はロンバルデイア州にあるカンティーナ(ワイナリー)に行きました。



グラナ・パダーノの作り方を簡単に説明すると、まず半分は脱脂乳、半分は全乳を合わせた
牛乳を沸かします。

牛は全てが血統書付き。えさも決まっているそうです。

沸いたらその中に仔牛の4番目の胃袋からとれた凝乳剤と昨日のチーズ作りの時にでた乳清を
入れます。

これが牛乳をチーズに固めて、発酵させてくれる。

そしてこのスピーノという器具で固まりかけた牛乳を米粒の大きさになるまで砕き、
さらに温めます。



待つこと1時間。鍋の底にたまったチーズが顔を出しました。

この鍋一つで2個分。牛乳1,000ℓ。毎日88個のチーズを作るそう。牛乳44,000ℓ!


これに重しをして24時間。この後、ステンレスの器の中で48時間。


そして飽和食塩水のプールの中に20日間漬け、一日乾燥させてから長い熟成期間に入ります。



この間には何度も上下を変えたり、ブラッシングしたりと細かい手入れが必要。

それは機械がやってくれます。

でも、この倉庫の中に何個のグラナ・パダーノチーズがあるのかしら??


9ヶ月経つと満を持してデビューできる。厳しい審査を通った物だけですが。。

それも検査官がたたいて、中から跳ね返る音で判断するそう。

700年前から作り方は変わらないとは言え、厳しく管理された中で作られています。

それが世界で有名なグラナ・パダーノ。


一つ一つにきちんと名前、証明がついています。

この日はなんと25ヶ月熟成のグラナ・パダーノを食べさせてくれました。

熟成された風味とまろやかさが食べたことのないおいしさでした。

日本で買ったら、高いでしょうね!



この後、この近くのジベッロという村に少し立ち寄りました。


この村で作られているクラテッロという生ハムが有名だそう。

それとベルディの出身地の様です。銅像と博物館がありました。

小さな村それぞれに趣があって、素敵です。



午後に訪れたカンティーナ。(ワイナリーはイタリアではカンティーナです)

TENUTA MAZZOLINO

このカンティーナは経営者がフランス人でフランスに近い作り方をしているそうです。


ピノ・ネロとシャルドネを中心に葡萄を育てているとの事。



畑、カンティーナの中を見学した後はテイスティング。

中でもこの下の写真の樽で熟成された白ワインが美味しかったです。

香りとまろやかさ、後に残る余韻が長かったです。

この白ワイン、樽の中で澱とともに12ヶ月間を過ごします。

澱がこのワインの香りと個性を作ってくれるんですって。

じゃまものにされがちな澱がワインの個性になるなんて。

全てが活かされているんですね。



チーズとワイン、イタリアには欠かせない大切なこの二つの作る過程を見られて、
充実の工場見学でした。

どこの国に居ても一つの事をやり続ける、作り続ける職人さんは素敵に輝いています。

2015年4月26日日曜日

研修先に見学に。


イタリアに来て1ヶ月が経ちました。

あと、もう1ヶ月学校に通い、その後、各自研修先へと旅立ちます。

なので、そろそろ研修先を探し始めなければいけません。

先日学校に教えに来ていたシェフが研修生を受け入れているというので紹介してもらい、

レストランに見学、食事、シェフと話に行きました。

トリノからバスに揺られる事1時間。

今いる場所とはまた違った雰囲気の山に囲まれた何もない小さな村。

今日は曇っていて寒かったです。

不安!と思いつつ、一人で行き、無事にお店に着きました。

ランチ前だったのでシェフもスタッフも忙しかったので、お店を見るか、キッチン見るか

どうすると言われ、キッチンを見ると言ったら、エプロンして簡単なデザートのお手伝いを

する事になりました。

フルーツ切ったり、デザートを盛りつけたり。

レストランは家族経営。

イタリアは日本の様にチェーン展開しているお店はなく、ほとんどが家族経営だそうです。

シェフのお母さん、奥さんも手伝っていました。

最近は英語を封印して、単語で話すという子供的なイタリア語でもなるべく

イタリア語を話そうとしていましたが、今回は英語でお話させてもらいました。

大切な事だしね。

でも、キッチンで皆と一緒に仕事をしていたら、やはりイタリア語の大切さを実感。

自分の話せなさを痛感です。

今は通訳の先生がいるから、なんという恵まれた状況にいることか!

そして、学校の先生の言う事は少しずつ判ってはきているけれど、いざ、口に出していうとなると

できない!と実感。

言ってる事も判らないのは寂しいし。。

その後、お昼ご飯を頂きました。

お店の雰囲気もクラシック、お料理もクラシックなピエモンテーゼの中に少し遊び心が

含まれていました。

綺麗で丁寧な仕事をしていると感じるお料理でした。

その後でシェフと研修についての事等、色々と話をしました。

シェフについて、シェフと二人での仕事なので責任重大です。

今日はお会計はいらないと言われ、ご馳走になりました。

帰り道、これからの事を改めて考えながら帰ってきました。

学校の残り1ヶ月をどう過ごすのか、研修に行ったら何をするのか?

どの様にしたいのか?なりたいのか??

イタリアに来てからのこの1ヶ月、必死に毎日やってきたつもりだったけれど、多分まだ、

どこかで旅行気分が抜けていない自分がいたのかもしれません。

研修先を見に行って、私はしばらくこの国で生きて行く、この国に住むと決めたんだと

心の中で、いえ全身で実感しました。

慌てず、諦めず、一つ一つを大切に全てを受け入れる。今この瞬間、何をやるかの連続。

それが、この先の何かに繋がると信じて。

これから新しい扉が開いて、いよいよ本番が始まります。




2015年4月23日木曜日

学校23日目


今日も昨日に続いて座学の一日。

今日はお店の経営、どうやって利益をだすか?

予算を立てるか? 

メニューを構成するか?

先生に当てられて意見を言う、答えを言う場面もあり。

日本人の一番苦手な分野。自分の意見を言う。

こういう場所で何も言えない事が恥ずかしい。

間違えてても何でも言う外国人達を見ているとこうでなくちゃ!!と思うのだ。

難しかったけれど、今日は真剣に聞いてた。

だって、もしかしたら、もしかしたらだけど、いつかお店を出す日が来るかもしれないし。

イタリアと日本ではお店の形態やコスト面で異なる部分は多々あるけれど、基本を押さえておけば

応用が利くというもの。


授業が終わって寮に帰ってから、最近の毎日の日課は一時間程度の散歩。

19時はまだ明るい。そして20時前位が夕陽がたまらなく美しいのだ。

それだけではない。毎日見ているあの風景に今日も逢いたくて、鳥のさえずりを聞きながら

散歩するのだ。





ほんの2週間前にはまだ葉っぱが出ていなかった葡萄。葉が芽生え始めていた。

街中の葉の緑の色が日に日に濃くなっていく。

自然の生命力に溢れている。































いつまでもこの中に佇んでいたい。今の私の一番大好きな風景。そして時間。

今日も一日、ありがとう。