2015年4月27日月曜日

学校24日目。見学編


木曜日は一日、見学の日。

朝7時に寮を出て、午前中はエミリア・ロマーニャ州にあるチーズ、グラナ・パダーノの工場に。

午後はロンバルデイア州にあるカンティーナ(ワイナリー)に行きました。



グラナ・パダーノの作り方を簡単に説明すると、まず半分は脱脂乳、半分は全乳を合わせた
牛乳を沸かします。

牛は全てが血統書付き。えさも決まっているそうです。

沸いたらその中に仔牛の4番目の胃袋からとれた凝乳剤と昨日のチーズ作りの時にでた乳清を
入れます。

これが牛乳をチーズに固めて、発酵させてくれる。

そしてこのスピーノという器具で固まりかけた牛乳を米粒の大きさになるまで砕き、
さらに温めます。



待つこと1時間。鍋の底にたまったチーズが顔を出しました。

この鍋一つで2個分。牛乳1,000ℓ。毎日88個のチーズを作るそう。牛乳44,000ℓ!


これに重しをして24時間。この後、ステンレスの器の中で48時間。


そして飽和食塩水のプールの中に20日間漬け、一日乾燥させてから長い熟成期間に入ります。



この間には何度も上下を変えたり、ブラッシングしたりと細かい手入れが必要。

それは機械がやってくれます。

でも、この倉庫の中に何個のグラナ・パダーノチーズがあるのかしら??


9ヶ月経つと満を持してデビューできる。厳しい審査を通った物だけですが。。

それも検査官がたたいて、中から跳ね返る音で判断するそう。

700年前から作り方は変わらないとは言え、厳しく管理された中で作られています。

それが世界で有名なグラナ・パダーノ。


一つ一つにきちんと名前、証明がついています。

この日はなんと25ヶ月熟成のグラナ・パダーノを食べさせてくれました。

熟成された風味とまろやかさが食べたことのないおいしさでした。

日本で買ったら、高いでしょうね!



この後、この近くのジベッロという村に少し立ち寄りました。


この村で作られているクラテッロという生ハムが有名だそう。

それとベルディの出身地の様です。銅像と博物館がありました。

小さな村それぞれに趣があって、素敵です。



午後に訪れたカンティーナ。(ワイナリーはイタリアではカンティーナです)

TENUTA MAZZOLINO

このカンティーナは経営者がフランス人でフランスに近い作り方をしているそうです。


ピノ・ネロとシャルドネを中心に葡萄を育てているとの事。



畑、カンティーナの中を見学した後はテイスティング。

中でもこの下の写真の樽で熟成された白ワインが美味しかったです。

香りとまろやかさ、後に残る余韻が長かったです。

この白ワイン、樽の中で澱とともに12ヶ月間を過ごします。

澱がこのワインの香りと個性を作ってくれるんですって。

じゃまものにされがちな澱がワインの個性になるなんて。

全てが活かされているんですね。



チーズとワイン、イタリアには欠かせない大切なこの二つの作る過程を見られて、
充実の工場見学でした。

どこの国に居ても一つの事をやり続ける、作り続ける職人さんは素敵に輝いています。

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